新収益認識基準があまりにも難解な会計基準なので少しづつ解説をしてみようと思う

西新の公認会計士、川名大哉です。

 

ちょうどテレビをつけると、プロ野球のドラフト会議がやっていました。

ホークスは風間球打選手を一位指名で一本釣りできたようで嬉しい限りです。

今年は残念ながらCSに進出できそうにない流れになっておりますが、来年こそはぜひ風間選手に15勝くらいしていただいて優勝したいですね。
ホークスには良い投手がたくさんいるのでぜひ色々教えてもらって即戦力になってほしいところです。

風間選手、期待してます!!!

 

今日は公認会計士らしく会計基準に関する記事です。

 

新収益認識基準

日本は多くの会社が3月決算です。2022年3月期の決算期から適用される会計基準がいくつかありますが、その中でも圧倒的に影響を与えるといわれているのが「新収益認識基準」という会計基準です。

「収益」という用語が入っていることからもわかる通り、会社の売上に関する新しい会計基準が適用されるものと知っておくと良いかもしれません。

もう少し会計っぽい話をすると、「収益認識」というのは、収益をいつ計上するか、いくらで計上するのかに関するルールのことです。

これだけ見るとそんなに難しくなくない?って思いますよね。
ただ現実はそんなに甘くありません。

これがかなり厄介な会計基準でして、会計基準に詳しいとされている公認会計士が読んでもなかなか頭に入ってこない…それくらい抽象的な会計基準になっているんです。

とにかく解釈が難しい基準でして、世の経理部の方々も苦しまれているのではないでしょうか?

ぼくの理解の記録という面もあるのですが、今後数回に分けて新収益認識基準に関する記事を書いていこうと思います。

 

収益認識のステップ

収益認識基準に記載されている、会社が収益(ここでは売上としましょう)を仕訳で計上するまでのステップは5つとされています。

①契約の識別

②履行義務の識別

③取引価格の算定

④履行義務への取引価格の配分

⑤履行義務の充足による収益の認識

 

それぞれの用語を読んでもあまり具体的にイメージできないですよね。

これ、マスターするの本当に時間かかると思いますので、今後各ステップで論点になりそう、または理解が難しい点について記事にしていこうと思います。

 

そもそも新収益認識基準の対象は?

さっき記載したステップ①~⑤の解説をしていく前に、そもそもこの新しい会計基準ってどの取引が対象なの?
っていう疑問が出てくると思います。

会計基準によれば、新収益認識基準の対象となる取引は顧客との契約から生じる取引となっています。

あぁお客さんとの契約から生じる取引ね…って思いますね。

なんとなくイメージはつくと思います、そしてそのイメージは概ね合っていると思いますが、少しかみ砕いて、
①顧客、②契約の観点から考えていきましょう。

 

①顧客

顧客って言うと何となくイメージがつくと思います、言い替えるとお客さんですね。

例えば、皆さんがスターバックスでコーヒーを飲むとしたら、レジに並んでいる皆さんがスターバックスのお客さんに該当しますよね?
こういうケースはわかりやすいと思います。

じゃあ例えば、皆さんが会社の社長だとして、知り合いから100万円の寄付金をもらえることになったらどうでしょうか。

 

結論を言うと、こういうケースではその知り合いは顧客には該当しません。

なぜかというと、会計基準で示している「顧客」の定義には該当しないからです。

会計基準でいう顧客というのは、「会社が営業活動で生み出した財やサービスを受け取る人」と記載されいてます。

ちょっとわかりにくい記載ですが、重要なのはお客さんの目的です。

お客さんが会社から財やサービスを受けることを目的にしてくれているのならば、そのお客さんは顧客に該当するんです。

さっきの例で言うと、スタバでコーヒーを注文した皆さんは、スタバから「コーヒー」を提供してもらうことを目的としていますよね。

じゃあさっきの寄付金の例だとどうなるでしょうか。

寄付金をくれる知り合いは、会社からなにか寄付金の代わりに財やサービスを受けることを目的としてないですよね?

恐らくですがその知り合いは会社に寄付をすることで、会社がもっと世に高い価値を生み出すような事業運営を行ってくれることを期待して寄付をしてくれたんです。なのでこの場合、会社は顧客には該当しないことになります。

 

②契約

契約とは「当事者間に法的な強制力のある権利および義務を生じさせる取り決め」です。

これもちょっとわかりにくいですが、ここでは相手との「約束」くらいのイメージをもっておきましょう。

これは今後詳しく解説しますが、「契約」とみなされるには5つの要件を満たしている必要があります。

 

つまり取引がお客さんとの約束から生じる取引なのであれば、新収益認識基準の対象になると思ってください!

 

収益認識基準は非常に奥深くて、途中で心が折れそうになるかと思いますが、頑張って解説するのでぜひこれを機に新収益認識基準への理解を深めましょう!

 

ではまた!

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