日本の居住者は、原則として海外で得た所得も日本で申告します。海外の申告書の数字をそのまま使うことはできず、日本の税法に合わせて計算し直す必要があります。
こんな方のご相談をお受けしています
- 海外に賃貸用の家やマンションを持っている
- 海外の証券会社で株式・ETFを売買している、配当を受け取っている
- 海外の生命保険・年金保険を解約した、満期を迎えた
- 過去の年の海外の所得を申告していなかった
海外の賃貸不動産
- 減価償却は日本の基準でやり直します。耐用年数は建物の構造と築年数で決まり、海外の申告で使っている年数とは違います。土地と建物の価額も分けて計算します。
- 国外の中古建物には損失の制限があります。中古の耐用年数(簡便法など)で計算した減価償却によって生じた赤字は、なかったものとされ、給与など他の所得と相殺できません(2021年分から)。
- 家賃・経費は原則として取引した日の為替レート(TTM)で円に換算します。取得価額は取得した時のレートで一度だけ換算します。
- 固定資産税・管理費・管理会社の手数料など、海外特有の経費が日本で経費にできるかを一つずつ確認します。
海外の証券口座の株式・配当
- 海外の取引所に上場している株式の売却益や配当は、日本の上場株式と同じく申告分離課税(20.315%)の対象です。
- 取得価額と売却価額は、それぞれの取引日の為替レートで円に換算します。為替による増減も売却益に含まれます。
- 海外の証券会社で売った株式の損失は、日本の証券会社の損失と違い、翌年以降に繰り越せない場合があります。
- 現地で差し引かれた税金は、外国税額控除の対象になります。
海外の生命保険
保険金や解約金にかかる税金は、保険料を払った人・保険の対象になっている人・受け取る人の組み合わせで決まります。
| 受け取るお金 | 組み合わせ | かかる税金 |
|---|---|---|
| 死亡保険金 | 保険料を払った人が亡くなり、別の人が受け取る | 相続税 |
| 保険料を払った人が受け取る | 所得税(一時所得) | |
| 保険料を払った人とは別の人が受け取る(亡くなった人とも別) | 贈与税 | |
| 解約金・満期金 | 保険料を払った人が受け取る | 所得税(一時所得、年金形式なら雑所得) |
| 別の人が受け取る | 贈与税 |
なお、投資の性格が強く、保険としての実態が乏しい商品は、保険としての扱いが認められない場合があります。
当事務所がお手伝いすること
- 資料の確認海外の申告書、売買契約書、口座の取引明細、保険証券などを確認します。
- 日本の税法での計算減価償却・為替換算・経費の区分を日本の基準で計算し直します。
- 申告確定申告書を作成し、外国税額控除もあわせて適用します。過去の年の分の申告にも対応します。
米国の申告(Form 1040・Schedule E・FBAR など)の作成は対象外です。米国の専門家と分担して進めます。
よくあるご質問
海外の不動産の赤字は給与と相殺できますか?
新築や、法定の耐用年数で計算している場合は相殺できることがあります。中古の建物で短い耐用年数を使っている場合は、減価償却から生じた赤字の部分は相殺できません。取得した年と建物の状況によって変わります。
何年前までさかのぼって申告が必要ですか?
状況によりますが、一般には過去5年分が対象になります。どこまでさかのぼるかは、ご状況を確認したうえでご提案します。
※ このページは一般的な説明です。実際の取り扱いは個別の状況によって異なりますので、具体的なご判断は専門家にご相談ください。
