日本に住む外国籍の方のうち、来日してからの期間が短い方は、税金のうえで「非永住者」という区分になります。非永住者は、海外で得た所得のすべてに日本の税金がかかるわけではなく、日本に持ち込んだ分などに限って課税されます。
こんな方のご相談をお受けしています
- 来日して数年で、母国に家賃収入・配当・利息などがある
- 海外の口座から日本の口座へお金を移している
- 自分が非永住者なのか、いつ永住者(全世界課税)に切り替わるのか知りたい
- 海外の株式を売ったが、日本で申告が必要か分からない
非永住者とは
居住者(日本に住所がある、または1年以上住んでいる人)のうち、次の2つにあてはまる人を非永住者といいます(所得税法2条1項4号)。
- 日本の国籍を持っていないこと
- 過去10年のうち、日本に住所または居所があった期間の合計が5年以下であること
在留資格(ビザ)の種類は関係ありません。永住ビザを持っていても、日本での居住期間が通算5年以下なら、税金のうえでは非永住者です。反対に、5年を超えた年の途中から、全世界の所得に課税される区分(永住者)に切り替わります。
非永住者に課税される所得
| 所得の種類 | 非永住者の扱い |
|---|---|
| 日本で得た所得(国内源泉所得) | すべて課税 |
| 海外で得た所得のうち、日本で支払われたもの | 課税 |
| 海外で得た所得のうち、日本に送金されたもの | 送金した額の範囲で課税 |
| 海外で得て、海外に置いたままの所得 | 原則として課税されない |
送金課税で気をつけたいこと
送金は「その年の所得」から先に充てたものとみなされる
海外から日本へ送金した場合、そのお金が昔からの貯金なのか、その年の収入なのかは区別がつきにくいものです。そこで法律では、その年に送金した額は、まずその年の海外の所得から充てたものと推定するルールがあります(所得税法施行令17条)。
そのため、「生活費として送った」「会社の資本金として送った」といった使い道に関係なく、その年に海外の所得があれば、送金額の範囲で課税されることになります。海外の所得を超える部分の送金は、課税されない元本からの送金として扱われます。
株式などの売却益は送金しなくても課税される場合がある
非永住者の期間(過去10年以内)に取得した株式などを売った場合の売却益は、海外の口座で売って海外に置いたままでも課税対象になります(平成29年度の改正)。来日前から持っていた株式かどうかで扱いが変わるため、取得した時期の確認が大切です。
国外財産調書は提出しなくてよい
海外の財産が5,000万円を超える方が出す国外財産調書は、非永住者には提出義務がありません。永住者に切り替わった年から必要になります。くわしくは国外財産調書のページをご覧ください。
当事務所がお手伝いすること
- 居住期間の確認来日日・出国歴から、非永住者の期間がいつまで続くかを確認します。
- 海外の所得と送金の整理海外の所得の額と、日本への送金の額・時期を年ごとに突き合わせます。
- 確定申告課税される額を計算し、申告書を作成・提出します。海外で納めた税金があれば外国税額控除も検討します。
- 今後の計画永住者に切り替わる時期を見すえて、送金や資産の持ち方についてアドバイスします。
よくあるご質問
非永住者でも日本の給与は全額課税されますか?
はい。日本で働いて得た給与は国内源泉所得なので、非永住者でも全額が課税対象です。非永住者の特例が関係するのは、海外で得た所得です。
海外のクレジットカードで日本で買い物をすると送金になりますか?
海外の口座から引き落とされるカードを日本で使った場合も、日本への送金と同じように扱われる場合があります。金額が大きい場合は一度ご相談ください。
5年の数え方を教えてください。
その年の判定時点から過去10年をさかのぼり、日本に住所または居所があった期間を合計します。一度出国して再入国した方は、前回の居住期間も通算されます。出入国の日付をもとにお調べします。
※ このページは一般的な説明です。実際の取り扱いは個別の状況によって異なりますので、具体的なご判断は専門家にご相談ください。
