Case Studies

相談事例

これまでにお受けしたご相談の例です。日本に住む外国籍の方や、海外に収入・資産がある方から、メールやオンライン面談でご相談をいただいています。

掲載にあたって

ご本人が特定されないよう、国籍・金額・年などは変えています。税金の扱いは、来日の時期や送金の状況などの事実によって変わります。同じようなご状況でも結論が異なることがありますので、個別にご相談ください。

事例1 海外の賃貸不動産の家賃を申告していなかった

外国籍・来日5年目/会社員

ご相談の内容

来日前から持っている母国の住宅を賃貸しており、母国では毎年申告していた。日本では家賃を申告していない年があり、さかのぼって正しく直したい。

当事務所の対応

  • 来日からの期間を確認し、5年以内は「非永住者」に当たる可能性が高いと判断しました。非永住者の期間は、海外の所得のうち日本に送金した額の範囲で課税されます。
  • 年ごとに、海外の口座からの送金と、海外のクレジットカードの日本での利用額を集め、課税される額を計算しました。
  • 建物の減価償却は、海外の申告書の数字ではなく、日本の基準で計算し直しました。
  • 年ごとに、期限後申告・修正申告・更正の請求のどれが必要かと、追加で納める税額の目安を書面にまとめました。

ポイント

非永住者の期間は、所得のすべてに課税されるわけではありません。一方で、カードの利用も送金に当たる場合があります。税務署から指摘を受ける前に自分から申告すれば、加算税が軽くなるか、かからないことがあります。

事例2 海外の親から住宅購入の資金を援助してもらう

外国籍・配偶者の在留資格/日本で住宅を購入予定

ご相談の内容

日本で家を買うため、母国に住む両親から数百万円の援助を受ける予定。日本で贈与税がかかるか知りたい。

当事務所の対応

  • 受け取る方の在留資格と日本での居住期間から、海外の親からの贈与でも日本の贈与税の対象になる可能性が高いことを確認しました。
  • 住宅取得等資金の贈与の非課税の特例について、贈与を受ける年、住宅の引渡し・入居の期限、翌年の申告が必要なことを説明しました。
  • 特例と基礎控除を合わせて、税金がかからない金額の範囲をお伝えしました。

ポイント

贈与税は、あげる人ではなく、受け取る人の住所や在留資格で判定します。特例は期限と申告が条件なので、お金を受け取る前のご相談をおすすめします。

事例3 海外の会社に雇われたまま、日本からリモートで働く

配偶者がアジアの国の会社の正社員/日本へ転居予定

ご相談の内容

配偶者が海外の会社に正社員として勤めたまま日本に移り、在宅で仕事を続ける予定。日本と相手の国のどちらで税金がかかるか。

当事務所の対応

  • 給与は働いた場所の国の所得になるため、日本で働いた分は日本で課税される可能性が高いことを説明しました。
  • 日本と相手の国との租税条約の給与の条項を確認し、相手の国で課税された場合の調整方法をお伝えしました。
  • 日本で確定申告が必要になることと、配偶者控除への影響、手取りの試算をお示ししました。

ポイント

会社が海外にあっても、日本に住んで日本で働けば、日本の所得になるのが原則です。租税条約の内容は国ごとに異なるため、相手の国の条約を確認する必要があります。

事例4 帰国する前に、住民税と所得税の手続きを整理したい

外国籍・日本で勤務/翌年の初めに帰国予定

ご相談の内容

翌年の初めに母国へ帰る予定。今年の確定申告と、帰国後に届く住民税をどうすればよいか。

当事務所の対応

  • 出国する年の所得税は、出国までに申告するか、納税管理人を決めて翌年に申告するかを選べることを説明しました。
  • 住民税は1月1日に住んでいた市町村で課税されるため、帰国後に届く納付書の受け取り役として、市町村への納税管理人の届出が必要になることを確認しました。自治体によっては承認が必要です。
  • 納税管理人を当事務所が引き受ける場合の範囲と、届出を出す人を整理しました。

ポイント

所得税(税務署)と住民税(市町村)は手続きが別です。出国の日が決まったら、早めに準備することをおすすめします。

事例5 以前にも日本に住んでいたことがあり、非永住者の期間が分からない

外国籍・日本に再び住む予定

ご相談の内容

数年前にも日本に住んでいた。今回の来日で、非永住者でいられる期間がどれだけあるか知りたい。

当事務所の対応

  • 非永住者かどうかは、過去10年のうち日本に住んでいた期間の合計で判定するため、前回の居住期間を含めて計算しました。
  • 来日の時期によって、非永住者でいられる期間が大きく変わることをお示しし、時期ごとの違いを説明しました。

ポイント

前回の居住期間は、今回の来日から10年以内であれば数えます。来日の時期を決める前にご相談いただくと、選択肢が広がります。

事例6 国外財産調書を出す必要があるか分からない

日本に住んで5年超/海外に住宅と銀行口座あり

ご相談の内容

海外に家と銀行口座がある。税務署で国外財産調書について聞かれたが、自分が出す必要があるのか分からない。

当事務所の対応

  • 12月31日時点の海外の財産の合計が5,000万円を超えるかで判定することを説明しました。
  • 不動産は時価のほか、見積価額(建物は減価償却をした後の価額など)でもよいため、評価の方法で合計が変わることを示し、提出の要否を判断しました。
  • 非永住者の期間は提出の義務がないことも確認しました。

ポイント

提出期限は翌年の6月30日です。出し忘れていても、税務署から調査の通知が来る前に出せば、不利な扱いを避けられる場合があります。

同じようなことでお困りの方は、お問い合わせフォームからご連絡ください。よくあるご質問もあわせてご覧ください。

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